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淀江の宿今津田中家のある淀江町は、2005年に米子市と合併し、町役場だった建物は米子市役所淀江支所として活用されています。2021年10月、淀江支所内にある米子市淀江振興課から「妄想?真実?やりすぎ淀江伝説(A5判16Pの冊子)」が発行されました。宿でも在庫を持ち、宿泊者などにお渡しして、喜んでいただいています。また、2025年3月には第2弾が発行されました。本号では、この冊子に関わっておられるお二人と当宿との関わりや冊子の内容などをご紹介します。(「やりすぎ淀江伝説」は無料で配布されています。)
ライブ漫画家 ゴロ画伯
弥生時代・古墳時代・飛鳥平安時代と古代歴史の遺構が集中して残る米子市淀江町。「やりすぎ淀江伝説」は、古代淀江の歴史に精通した専門家の全面協力のもと、米子市出身のライブ漫画家であるゴロ画伯(松村宏さん)がマンガと構成を担当され、淀江振興課が発行されたものです。
2022年3月18日、その漫画家 ゴロ画伯を当宿にお呼びして、エレキ紙芝居を披露していただきました。ゴロ画伯の妹さんが、私(宿のオーナー洋子)の高校の同級生で、ゴロ画伯と同じ美術部だった私の同級生 河田訓子さんが企画・セッティング、同じく同級生の林原直子さんがゴロ画伯を車でお連れくださり、この場が実現しました。
当宿の玄関に飾ってある私の母 景子の描いた「石馬」の感動ストーリーなども含めて、「やりすぎ淀江伝説」に載っている内容を「エレキ紙芝居」という形にして、紙芝居風の語り口で、とても分かりやすくお話ししていただきました。
草野さん「鳥取邪馬台国説」
第2弾の「やりすぎ淀江伝説2」は、第1弾と同じく、ゴロ画伯がマンガと構成を担当され、草野慎一さん(国土交通省 水管理・国土保全局砂防部長)が監修をされています。
草野慎一さんとの出逢いは、2023年4月。草野さんが5月3日、江府町で開催のプラネタリーヘルス関連のイベントに参加されるため、イベント企画者の桐村里紗医師のご紹介で、前日に当宿に泊まっていただくこととなり、その事前のやり取りから、(一社)Bisui Daisenのメンバーや、淀江出身で東京在住の吹野博志さんや勝部日出男さんと一緒に草野さんの仕事場である国土交通省を訪ね、水や土壌、草野さんが山陰文藝に寄稿された「鳥取邪馬台国説」の話で盛り上がりました。
宿泊された夜には、草野さんが国土交通省から鳥取県に出向された際に親交のあった方や淀江支所長を含む淀江振興課の方々など、地元の方と一緒に、草野さんを囲んでお食事会を催し、親交を深めました。
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やりすぎ淀江伝説
「信じるか信じないか? 貴方が決めてごしない(決めてください)」というフレーズの下、少し「やりすぎ」な伝説話や淀江町にまつわるイラスト、面白小話がたくさん使用され、気軽に読んで、淀江のことが理解できる冊子に仕上がっています。
巻頭では「なにもない田舎」どころか「なにを語るか困る」ほど、紹介したい魅力にあふれているのが淀江です。豊かな自然はもちろんですが、その恵みを受けた人々の暮らしは、一万年以上も前から続く歴史があります。弥生時代には日本最大級の集落となり、日本各地の民や渡来人が海から訪れる国際交流都市の顔をもち、飛鳥時代からは仏教文化が次々と荷揚げされます。いわば西洋文明が押し寄せた幕末期の横浜のように、古代の淀江は見たことがないような珍しい人や物で溢れ、華やかで賑やか。日本で指折りの先進文化の玄関口だったのです。と書かれ、ゴロ画伯の大胆な説と共に考古学の専門家の方々の解説も一緒に掲載されています。
上淀白鳳の丘展示館には、稲吉角田遺跡で発見された絵画土器、上淀廃寺で発掘された仏教壁画や大仏の欠けらなど、多くの実物が展示してあります。学芸員のガイドで近くの上淀廃寺跡や天神垣神社の収納庫の中にある石馬の実物を見ることが出来ます。
こんな内容が載っています
■しめ縄の起源は淀江!? ひもおとしとヘビ信仰
■日本最古のマンガ 絵画土器
■古代出雲の天空の社殿 淀江に元祖が!
■石馬が起こした製鉄イノベーション
■玉清姫は実在した!玉の輿の由来
■上淀廃寺の大仏が奈良の大仏のルーツか!?
「やりすぎ淀江伝説2」邪馬台国は淀江で始まった
畿内説、九州説と有力な説はあるものの、未だ通説となる場所が特定されていない謎に包まれた「邪馬台国」。
第2弾で監修を務められた草野さんは、
「文献より検証可能な事実から」
古墳などの遺跡、実際に出土している遺物、丸木船が進むことが出来る距離、木材運搬は川流し、といった現代でも検証が可能な事実のみで日本古代史を検証し直してみると、必然的に「淀江エリアが邪馬台国の中心であった」事になるのです。
と書かれ、
「反省の条件は『鉄』の保有量」
「日野川の存在が決定的」
という形で、その根拠を解説されています。
よって、日野川河口の「淀江」が一番大きな都市になれる条件を備えていて、その証拠が「妻木晩田遺跡」として存在していのです。以上から、淀江エリアが邪馬台国の中心地であったと言えるのです。
とまとめられています。
「倭国」を裏付ける「妻木晩田遺跡」
というタイトルで、考古学の専門家の解説も1Pに渡り掲載されています。
その他、「古代インフラ工事と古墳の関係(古墳の始まりは残土盛土・馬が大規模な盛土を可能に・方墳部分は石棺運搬路)」「水田の起源は淀江ラグーン」など、興味深い内容が盛りだくさん書かれています。
この冊子の中では、米子の方言では、自分のことも相手のことも「わ」と呼ぶことなどを解説し、最近海外から注目されている日本人の思いやり文化などについても触れています。
妻木晩田遺跡
弥生時代中期から古墳時代前期(約2000~1700年前)に営まれた集落跡です。 遺跡の広がりは約170ヘクタールに及び、弥生時代の遺跡としては全国最大級の規模を誇ります。
当宿から2kmくらい離れた所にあり、鳥取県立むきばんだ史跡公園は、弥生時代の大規模集落跡を保存・展示する公園で、古代の生活や文化を学べる展示や体験があり、家族で楽しめるスポットです。弓ヶ浜や日本海の絶景が広がり、沈む夕日が見れるビューポイントもあります。
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淀江の宿今津田中家で「とっとりワーホリ」しませんか?
「とっとり暮らしワーキングホリデー(とっとりワーホリ)」は、鳥取県内外の若者等が、働きながら県内の地域に滞在し、地域住民との交流や学びの場などを通じて地域での暮らしを学ぶ、鳥取県人口減少社会対策課の取組です。
淀江の宿 今津田中家 の運営する株式会社ウォリスも受入企業として登録しています。以下の項目の中から活動報告内容を決めて、実際の活動をしていただく予定です。
【観光庁・宿泊業・飲食業】
●アクティビティ体験提供のサポートスタッフ
●農業体験(自家菜園の野菜収穫・植付・米収穫)
●観光コンテンツ造成
●インバウンド化推進
●宿泊、食事提供対応
●カフェ営業
●事務作業、情報発信
【経営創業キャリア支援事業】
●経営シミュレーションゲームシステム化補助
●研修コンテンツ造成補助
■参加資格 18歳以上の方(高校生不可)
■受入時期 令和7年7月22日から令和8年2月28日
■一人当たり受入予定日数 3日~28日程度
※県外参加者は2週間以上滞在、県内の参加者は3日以上滞在
興味のある方は、ぜひお問合せください。
募集要項など詳しくはこちらをご覧ください。
淀江の宿今津田中家 2025年度会員募集
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