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【第5号】淀江出身のグローバルな紳士

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 「淀江の宿今津田中家」がある淀江町が輩出した企業家 吹野博志さんは、デルコンピュータ の日本法人の元会長・アメリカ法人の副社長 などを歴任、その他様々な企業の経営にも携わり、ベンチャー企業の育成に力を入れるかたわら、多摩大学ルネッサンスセンター客員教授、一橋大学非常勤講師を務め、後進の指導にも情熱を傾けてこられました。デル入社前は通算13年にわたってアメリカに駐在。ヨーロッパ、インド、中国、アジア諸国、中南米とのビジネスも経験豊富で、グローバルビジネスのベテランです。

ふるさとをこよなく愛する様々な活動

 吹野さんの寄付金を基に平成13年設立された「淀江町青少年ゆめ基金」では、淀江町出身の若者を対象に、自らの夢を実現するために海外に羽ばたく留学の学費、渡航費などの支援が行われ、また青少年が夢を描き、実現することの大切さを理解する啓発の一環として毎年「ゆめ講演会」が開催されています。

 また、東京圏在住の鳥取県西部出身者の名だたる方々を会員とし、故郷の発展に寄与することを目的として活動されている「クラブ・セブンティ」の共同代表、淀江の歴史と自然の魅力を「古代淀江ロマン遺跡回廊」として一体のものとしてとらえ、その保存・活用に取り組み、次世代へ伝えていく活動をされている。「古代淀江ロマン遺跡回廊」推進会議の共同代表も務めるなど、故郷の先を見据えた発展に寄与してくださっています。

 

淀江の大自然が育んだ吹野少年の原点

 1942年に淀江町で生まれ、3歳半で終戦を迎えた吹野少年は、小学校に入ると学校の仲間と遊ぶことに夢中になります。基本的には野外で歩いて1時間くらいで行ける海、山、川、田んぼが遊びの舞台でした。大自然の恵み、大山の伏流水、川、海、空気を100%いただいて育ってきた昭和20年代の経験が吹野さんにとっての原点です。

 その経験を基に、幸せとは何か、理想郷とは何かを考え、「大山・出雲e-共和国 二千年の歴史と最先端技術の調和 世界最高水準の理想郷へ」という本を鳥取県西部在住の2名の方と共同で、令和5年5月に出版されました。

 中央集権律令国家成立前の弥生時代を理想とし自然と共生する理想社会を大山・出雲地域に作ることを目指す構想で、現代社会の利便性や医療技術、電力エネルギー技術(100%再生可能)、ICT、インターネット、AI技術などの革新技術も生かし、「遊、医、食、住(エネルギー)」を基本要素とした世界の理想郷を創る取組がスタートしました。


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吹野さんとの思いがけない出逢い

 吹野博志さんと淀江の宿今津田中家のオーナー 田中洋子の出会いは、2022年6月7日。

 インタホーンが鳴り、洋子が玄関に出ると、ダンディーな紳士がお二人、にこやかに立っておられました。もうお一人は、米子日吉津商工会の元会長で淀江在住の経営者 足立英市さんでした。

「東京から来て、大山町での用事を終えて、淀江にゲストハウスがあると聞いて寄ってみました。もしよかったら、ちょっと宿の中を見せてもらえませんか?」

 お二人が次の予定があるということで、短い時間でしたが、「古代淀江ロマン遺跡回廊」推進会議の活動のお話などをお聞きし、私も宿を立ち上げるまでのストーリーなどをお話ししながら宿の中をご案内し、2022年4月15日に設立した 一般社団法人Bisui Daisen で5月末に実施した外国人のサイクリングモニターツアーのアンケートをまとめた資料をお渡ししました。その後、Facebookのメッセンジャーやメールなどでやり取りが始まりました。


吹野さんとの出会いから繋がる淀江の未来

 2022年10月、吹野さんと、一般社団法人Bisui Daisenのメンバーと一緒に、e-bike(電動自転車)で、淀江周辺のサイクリングをしました。上淀廃寺などの古代からの史跡、稲穂で黄金色に染まる田んぼ、天の真名井(湧水)、山頂に茶畑の広がる壺瓶山、参道に踏切の通る日吉神社、吹野さんが小学生の頃に住まれていた場所とそこから学校に通われていた線路伝い・・・。あちこちで吹野少年の原点にも触れることができたサイクリングでした。

 その後、吹野さんがこちらに来られた時に何度か泊まっていただいているのですが、その度に地域の方も一緒に夕食を食べ、淀江の未来について熱く語り合っています。

 経済産業省の元審議官の方や大学時代の同級生の方など別の方も連れて来てくださって一緒に泊まっていただいたり、一緒に南部町の生物多様性の視察に出かけたり、植田正治写真美術館に一緒に行って植田正治さんの息子さんにご案内をいただいたり、東京のクラブ・セブンティで私たちの活動の発表させていただく機会をいただいたり、東京で国や財団の方も交えて一緒に淀江について意見交換をしたり、いろんな形でいつも謙虚で素敵なダンディーな吹野さんと接して、淀江の価値を考え、未来のために私たちがここでこれからできることは何なのか・・・を考える機会をたくさん与えていただいています。

 

Bisui Daisen(美水大山[ビスイダイセン])とは

一般社団法人Bisui Daisen

2022年4月15日設立。非営利型の一般社団法人。

代表理事:レジリエンス 大原 徹 氏(HiddenWest)

専務理事:株式会社ウォリス 田中 洋子(淀江の宿 今津田中家)

 

BisuiDaisenのミッション

「美水大山地域(鳥取県米子市淀江町・西伯郡大山町、及びその周辺地域 ) 」をユニーク(唯一無二)な 体験型・交流型のニューツーリズムの場 と位置付け、訪れてみたくなる、定期的に帰りたくなる、暮らしたくなる、魅力的な場を参画者一人ひとりの強みや持ち分を活かした連携 で共創していく



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淀江の宿今津田中家 瓦版 4号 A4 4P
1-2Pは淀江出身のグローバルな紳士、3P 日替わり店長カフェのカレンダー、4P淀江プロジェクト物語 第4話
瓦版5号202308A4.pdf
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淀江の宿今津田中家 瓦版 4号 A3 二つ折り
1-2Pは淀江出身のグローバルな紳士、3P 日替わり店長カフェのカレンダー、4P淀江プロジェクト物語 第4話
瓦版5号202308A3.pdf
PDFファイル 4.1 MB