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第4話 大阪で地震、そして台風直撃…

前回 第3話「相続手続き完了!日本の農業は大丈夫か?」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第3話・・・洋子の父が亡くなってから9か月。洋子と弟の衆は相続手続きを終え、税務署に資料を提出する。母が亡くなったとき、また父の生前、こうしておけば良かったのに・・・と悔やむことも。「青地・白地」や「第1種農地・第2種農地」といった言葉にも詳しくなる。日本の農業はこんなことで大丈夫なのか?姉弟でそんな話もしながら、少しこの地域を巡ってみる。さぁ、これからどうする? 

第3話  Yodoe Project Story  第5話


【第4話 大阪で地震、そして台風直撃…のあらすじ】

「淀江プロジェクト」第4話・・・相続手続きが終わる少し前、大阪で最大震度6弱の大阪府北部地震が発生、交通機関が止まる。またその約2か月半後の9月4日、台風21号が関西を直撃、大規模な停電が起こり、洋子の事務所の周りでも1週間以上停電となったマンションやお店などがあり、事務所にも充電を求めて、近隣の方たちが連日訪れることとなった。この経験が、実家を処分することも検討していた洋子の考えを大きく変えていく。

関西で、地震・台風、災害が相次いで発生!

看板が外れ、窓ガラスを直撃
看板が外れ、窓ガラスを直撃
街灯も消えて真っ暗な自宅周辺(22時半頃)
街灯も消えて真っ暗な自宅周辺(22時半頃)

相続税手続きが終わる少し前の 2018年6月18日7時58分39秒 大阪北部を震源とするマグニチュードM6.1 最大震度6弱の大阪北部地震が発生した。その当時、洋子の自宅と経営する会社 株式会社ウォリスの事務所は、震度5弱を記録した大阪市淀川区にあり、大きな揺れを体験した。地震発生当日は大阪府を中心とした関西地方の多くの交通機関が運転を見合わせたため、多くの帰宅困難者が発生し、新淀川大橋は徒歩で帰宅する人で埋まった。

 

またその約2か月半後の9月4日、台風21号が関西を直撃、記録的な暴風となった。その日洋子は尼崎市の会社を訪問していたが、様々なものが空を飛びかい、建物も大きく揺れ、看板が外れて大きな窓ガラスが粉々に割れた。そして、大規模な停電が起こる。

台風が通り過ぎ、19時頃に車で帰路に就いた洋子は、木々が倒れ、看板が外れて飛び、バス停看板がひしゃげ、街の灯りがほぼ消えた状態の道を通り、通行止めで何度も迂回し、渋滞にも巻き込まれた。最終国道43号線で帰ることができたが、途中橋の上ではトラックが何台か横転したままで、台風の凄まじさを目の当たりにしながら、いつもは15分で着く尼崎から自宅までの道のりを3時間半かけ、22時半頃に帰宅した。

自宅周辺も街灯も消えて真っ暗、平屋の自宅も停電したままで、娘、萌々子が暗がりの中で、懐中電灯をかざして、洋子を迎え入れてくれた。


停電になると水も出ない!

ウォリス事務所で、スマホを充電し、ネットなどを利用する近隣の方々
ウォリス事務所で、スマホを充電し、ネットなどを利用する近隣の方々

自宅に帰った後、近くの会社事務所へ行ってみたが、幸いなことに電気がついており、停電した形跡は無かった。翌日の昼頃には自宅の電気もつき、洋子のライフラインは早くに復旧したが、あちこちの電線が切れ、洋子の自宅や事務所の周辺のマンションやお店では、1週間以上停電が続いたところもあった。

洋子が経営する会社 ウォリスのスタッフ 新谷さんのマンションは1週間以上電気がつかず、ポンプで水を吸い上げているため、断水したままで、日々の生活にとても苦労していた。彼女の提案により、Twitterで事務所の開放を何度かお知らせすることとなった。

「台風21号の影響で、停電などでお困りの方。ウォリスの事務所を無料開放しています。JR塚本駅近くです。機器の充電や、インターネットの利用、トイレの利用などお気軽にどうぞ。電源・Wi-Fi・水道・御手洗の利用が可能です。詳しくはこちらの投稿をご覧ください。」

その投稿を見た近隣の方々が連日来られて、停電でエレベータも動かず、断水で重たい水を階段で運んでいる苦労などもお聞きし、都会でライフラインが止まったときの大変さを目の当たりにすることになった。


この経験が洋子の意識を変えた!

薪風呂の煙突の残る実家
薪風呂の煙突の残る実家

「都会だと、ライフラインが止まったときに、本当に大変だなぁ~。お店が停電して休業していると、食べ物も買えない。」

「淀江の実家も停電したら大変だけど、海も山も近く、田畑もあって、食べ物には多分困らないし、薪でお風呂は焚けるし、ご飯も作れる。井戸水も手動ポンプにすれば汲み上げられるし、海や川から水もすぐに汲んでくることができる。いざとなったら、テントを張れる場所もたくさんある。公共交通手段が止まっても生活はできる。何らかの形で、電気も自分たちで賄えるようになるといいよなぁ~。」

「これからも大きな地震などが起きるかもしれないし、大阪で何かあったときの避難場所として、もしかしたら淀江が有効活用できるかも。」


淀江の宿 今津田中家 瓦版 第5号 4面
淀江の宿 今津田中家 瓦版 第5号 4面

次回 第5話「そうだ、離れをゲストハウスにしよう!」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第5話・・・父の1周忌の法要のため、家族が淀江に集まる。父母の残したラブレターを洋子が文字おこしをして持参し、様々な写真も見ながら、思い出に浸る洋子と衆。そして、土地と建物をどうするか・・・という話題となり、離れをゲストハウスにする話が3日間で具体的に進んでいく。 

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