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第13話 地元の懸念と引っ越しの決意

前話 第12話 「ハブッチ&ゴンも参戦!片付けから解体へ」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第12話・・・2018年の年の瀬クリスマスイブの前日に第1弾がスタートした「淀江プロジェクト」。その1か月後の、2019年1月下旬に第2弾を行い、多くの荷物が一気に片づいた。その2か月後の2019年3月21日~23日の2泊3日で、淀江プロジェクト第3弾を実施。1日目は新たな多くのメンバーが加わる中、ジャングルのような裏庭やリビングダイニング・キッチンなどの片付けが進んでいった。人数が少なくなった2日目以降は、リビングダイニングキッチンと洋室の間の壁を取る解体も楽しくパフォーマンスしながらスタート。片付けで見つかった洋子と衆が学生時代に制作したお面の行く末は・・・。

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【第13話 地元の懸念と引っ越しの決意 のあらすじ】

「淀江プロジェクト」第13話・・・2019年1月末に宿泊の許可を取り、Facebookにそのことを載せて大喜びで浮かれていた洋子。4月になって、今津自治会長の山中さんから電話がかかってくる。「田中さんの家が住んでいないのにごみを出されたということ、住んでいないのにゲストハウスされるということで、不安の声が上がり、自治会総会での議題に上がっています。4月下旬の自治会より前に役員たちと話す機会を作ってもらえませんか?」。これを受けて4月下旬、急遽帰省することとなる。その中で洋子が決意したことは・・・。 

「自治会総会の議題に上がっています」

 2019年1月末に離れの簡易宿所の許可を取り、Facebookにそのことを載せて浮かれていた洋子。2月には洋子が帰らなくても出入りができるようにリモートロックの機器を付け、3月下旬には「淀江プロジェクト第3弾」を実施して、片付けから母屋のリノベーションへとフェーズが移り、今後の展開に期待を膨らませていた大阪の洋子のもとに、4月に入った頃、一本の電話がかかって来た。

 「この3月まで今津自治会長をしていた山中です。田中さんの家が住んでいないのにごみを出されたということ、住んでいないのにゲストハウスされるということで、不安の声が上がり、今津自治会総会(当時92戸)での議題の一つに上がっています。4月下旬に行われる自治会総会の前に、新役員たちと話す機会を作っていただけませんか?」

 片付けで出たごみは基本、可燃は米子市クリーンセンターへ、不燃は伯耆町にあるリサイクルプラザへ持ち込んでいたのだが、ご近所でとてもお世話になっている前田さんが、「残ったゴミは車庫に入れて置いちょいたら少しずつ出してあげるけん、置いときないよ。」と言ってくださったことに甘えて、運びきれなかったゴミを車庫に置いたままにしていた。「うちのゴミのせいで、前田さんにご迷惑をかけてしまったかもしれない。」

 この数年前には、境港に寄港した中国人の豪華クルーズ船の乗客4000人以上が港からバスで「イオンモール日吉津」に訪れて爆買いしたということが全国ニュースで流れたりしていた。

 「持ち主が不在で、火事になったらどうするのか」「ゲストハウスで出たごみはどうなるのか」「集落の中を知らない人がウロウロして治安が悪くなるのではないか」そんな声が上がっているということだった。 


自治会長さんからの電話を受けて決意したこと

 ゲストハウスは地元の方に管理者になっていただくことをお願いしていたが、母屋のリノベーションが済むまでは、知り合いだけに利用してもらったらいいか・・・と軽い気持ちで考えていて、リモートロックは付けたものの、実際の運用についてはまだそれほど考えていなかった。

 今津集落は1班~5班まであり、洋子の実家は1班(18戸)のエリアになる。2018年12月に淀江プロジェクトの第1弾で帰ったときにちょうど班会が開催されるということで、その際にご挨拶させてもらって、離れでゲストハウスの許可を取得しようと動いていること、これから片付けのプロジェクトをやっていくことについて軽く報告していたが、その後、何もフォローをしていなかった。

 電話を受けて、これからどうしたらいいのかを考えた。

「地元の方の懸念もよくわかる。どうしたら一番いいかな。」

「私が淀江に住んだ方が淀江での事業は進むよね。」

「今の仕事(関西の小企業のIT活用支援・経営サポート・セミナー講師)は10年以上続けていてそれなりに軌道に乗っている。これから母屋もリノベーションして活用していくのであれば、淀江を拠点にして、淀江と大阪を行ったり来たりする二拠点生活をした方がいいかも。」

「これから1年間かけて母屋をリノベーションして、来年の5月には拠点を淀江に移そう。」

 

 家族やスタッフ、周りの人とも相談して、そう決断をした洋子は、今津自治会の役員さんや近隣の1班の方への説明資料の準備を始めた。 


「来年の5月に引っ越して、2拠点生活を始めます!」

 そして、4月13日(土)~16日(火)まで淀江に帰省し、14日(日)の19時に新旧の自治会長さん・1班の班長さんなどにお越しいただいて、簡易宿所の許可を取得した離れ、そしてリノベーション中の母屋をご案内し、来年の5月にここに拠点を移すつもりであることや今後のリノベーション計画、引っ越すまでは知人だけを泊める予定であることなどを準備した資料をもとに説明した。質問なども交えてしっかりと話を聞いてくださり、自治会総会では、私が説明した内容を自治会長さんが皆さんに伝えてくださることになった。

 また次の日には、説明資料を持って、少しドキドキしながら、1班の全戸をご挨拶に回った。

「洋子ちゃん、久しぶりだな。」

「帰ってくる。そりゃぁいいことだがん。」

「お父さんお母さんも喜びなぁわ。」

「楽しみに待ってるよ。」

皆さんがとても温かい反応をしてくださった。

 

 地元の方々にも決意をお伝えし、2拠点生活に向けて準備していく1年がスタートした。 



次回 第14話「ここはどこ?ミッチーの南インド料理三昧」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第14話・・・2018年の年の瀬クリスマスイブの前日に第1弾がスタートした「淀江プロジェクト」。2019年1月下旬に第2弾、2019年3月下旬に第3弾を実施して、片付けから解体へとフェーズが進んでいった。その2か月後の2019年5月24日~26日の2泊3日で、淀江プロジェクト第4弾を実施。今回は料理人ミッチーさんにも同行してもらい、南インド料理三昧の食事を地元のメンバーや飛び入り参加の方々と味わいながら、解体作業が進んでいく。屋根裏の天井はどこまで残すか?喧々諤々の議論の末・・・。

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